【講座レポート】相手に寄り添う介助とは、専門家から学ぶ“正しい介助法”

2025.05.12

【講座レポート】相手に寄り添う介助とは、専門家から学ぶ“正しい介助法”

ほっとパル株式会社が介助講座を受講しました

先日、ほっとパル株式会社では、社員一人ひとりが“いざという時”に備えた行動が取れるよう、「介助技術」に関する講座を受講しました。
講師は、理学療法士・あん摩マッサージ指圧師であり、現場経験も豊富な中川智之先生(臥竜の里指圧治療院・リハビリケア株式会社)をお迎えし、実技を交えた非常に実践的な講義が行われました。


講座の主旨

事故や病気は突然やってくるものです。
その場に居合わせた人が正しい介助方法を知っているか否かで、被介助者のその後が大きく変わることもあります。今回の講座では、「相手の状態を見極めて、最適な方法で介助する」ための知識と技術を学びました。


介助の基本と重要な7つのポイント

介助の基本として、まず重要なのは「相手の身体状態を正しく理解すること」です。
特に注意すべき点として、以下が挙げられます。

  • 関節の可動域
  • 筋力の状態
  • 皮膚トラブル(褥瘡など)
  • 動作時の痛み(骨折や打撲)
  • 感覚障害(麻痺や過敏)
  • 精神的不安感の有無

これらを把握したうえで、介助者自身の身体を守ることも同じくらい大切です。
腰を痛めないために「腰を落とした姿勢で大腿を意識」すること、必要に応じて腰椎ベルトを使用することも推奨されました。


実技で学んだ主な介助動作

実技での説明では、以下の動作に対して具体的な介助方法が紹介されました:

  • 移動:ベッド上での上下・側方移動
  • 動作:寝返り・起き上がり(ベッド・床)・立ち上がり
  • 移乗:車椅子からベッド、床からベッド

特に注意すべき移乗時のポイント:

  • 移乗先の高さを下げること
  • 車椅子のブレーキロック、アームレスト、フットレスト解除
  • 相手の腕を掴む際は「虫様筋握り」を意識
  • 握るときは小指〜中指を中心に力を使うと安定する


正しい介助を行うための“7つの知識と技術”

講師の中川先生から紹介された「介助の7原則」は、現場で即役立つ貴重な知識でした。

  1. 支持基底面を理解する
     → 支持基底面の中に相手の重心を入れると介助が安定する
  2. 重心を低くし、相手に近づく
     → 腰を落とすことで足や体幹が使いやすくなる
  3. 身体を捻らず、足の位置に注意
     → 力が分散しないよう、足元の向きを調整
  4. 相手の動作軌道を理解し、誘導する
     → 無理な動きではなく“自然な動き”を支えることが重要
  5. 小指〜背中・殿部・大腿など大きな筋肉を使う
     → 力に頼らず、身体の構造を活用
  6. テコの原理を活かす
     → 支点を中心にして相手を導くとスムーズ
  7. 押すより「引く」意識で介助する
     → ベッド上の移動などでは引き寄せる動きが安全

まとめと今後への活用

今回の講座を通して、社員たちは「正しい知識と正しい動作」がいかに重要であるかを痛感しました。
「助けたい」という想いだけでは、時に相手にも自分にも危険を及ぼす可能性があること。だからこそ、知識と技術が必要なのです。 今後もほっとパル株式会社では、このような学びを大切にし、社員一人ひとりが安全と安心を支えられる存在であることを目指してまいります。

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