一生モノの技術を、このまちに生きる「カタチ」に。

2026.02.27

一生モノの技術を、このまちに生きる「カタチ」に。

千曲市役所の向かい、多くの車が行き交う国道403号沿いに突如として現れた、
鮮やかな青い看板をご存知でしょうか?

「インフラ・ラララ」「インフラが当たり前にある。だから、笑顔でいられる。」
そんなメッセージと共に、楽しげな人々のシルエットが描かれたこの巨大なボード。

一見すると何の広告かわからないこの看板を設置したのは、広島県に本社を置く
協栄電気工業株式会社の石本英成(いしもと・ひでなり)代表です。
石本代表は、いわゆる「ブルーカラー」と呼ばれる現場仕事の価値を再定義し、
発信する団体『クール・ブルー』の発起人でもあります 。

なぜ、広島の企業がここ千曲市に看板を掲げたのか。
そして、このユニークなメッセージに込めた真意とは何か。ほっとパル手箱は、
石本代表に緊急インタビューを行いました。


▲ 実際に千曲市役所向かいに設置されている看板

「出しちゃえ!」の一言から始まった、工事現場のイメージ改革

「実は、この場所は私たち協栄電気工業が、高速道路の電気設備工事を行うために借りた資材置き場(ヤード)なんです」
と石本代表は明かします。当初、資材置き場は工事現場によくある「白い鉄板のバリケード」で囲われていました。

しかし、それを見た石本代表は、ある種の「寂しさ」を感じたと言います。
「市役所の目の前という一等地なのに、ただ白い壁があるだけでは殺風景で寂しい。
ふと、『ここなら僕たちが普段考えている想いを、地域の方に知ってもらうのにぴったりじゃないか』と思ったんです」 。

単なる工事現場の囲いを、地域へのメッセージボードに変える――。
この逆転の発想は、現場の風景を少しでも明るくしたいという遊び心と、工事を受け入れてくれる
地域への感謝から生まれました。「出しちゃえ!という勢いもありましたね」と笑う石本代表の表情からは、
現場を預かるリーダーとしての快活さと、地域への温かな眼差しが伝わってきます 。

「ブルーカラー」から、誇り高き「クール・ブルー」へ

私たちの生活を支える仕事は多岐にわたります。道路や水道といった公共インフラはもちろん、
快適な住まいを作る「工務店・大工」、街の景観を整える「造園・庭師」、そして暮らしに光を灯す「電気・通信」など、
現場で技術を振るう仕事すべてが、私たちの日常の土台です。

石本代表は「最近のニュースでもそうですが、インフラが注目されるのは災害や事故で『止まった時』ばかり」と指摘します。
「でも本当は、止まらないように毎日現場で汗を流している人がいて、何事もなく街が動いている。
そんな『当たり前』を作っている私たちの価値を、もっと誇ってもいいし、もっと知ってもらいたいんです」。

かつて作業着の色から「ブルーカラー」と呼ばれ、時に敬遠されたこの仕事を、
誇り高い「クール・ブルー」として再定義したい 。看板にはそんな切実な願いが込められています。
「現場には、高い技術力、瞬時の判断力、そしてチームワークが必要。自分たちが作ったものが形として残り、
誰かの役に立っている。 『生きている!』という強烈な実感がある、最高にかっこいい仕事なんですよ」

広島と長野をつなぐ不思議な「ご縁」

実は石本代表、過去に長野県に住んでいた経験があり、長野への愛着は人一倍です。
「長野は人が温かくて本当に良いところ。また住みたいくらいです」と笑う石本代表 。

今回の看板設置は、単なる企業のPRではありません。厳しい自然条件の中で現場作業を
受け入れてくれる地域への「感謝状」であり、広島と長野という離れた場所を「現場仕事への想い」で繋ぐ、
不思議なご縁の結晶なのです 。

「この看板を見た人が、電気をつける時や道を歩く時に、ふと
『あ、この向こう側に支えている人がいるんだな』と想像してくれたら嬉しいですね」 。

▲ オンライン取材に応じる石本代表


今、あえて若者に伝えたい「現場仕事(クール・ブルー)」を選ぶべき理由。

vol.1では、千曲市役所前の看板「インフラ・ラララ」に込められた、
仕事への誇りと地域への感謝について紹介しました。
続くvol.2では、発起人である石本英成代表が語る「仕事の未来」にフォーカスします。
進路を模索する次世代や、それを見守る親御さんへ贈る、現場からの熱いメッセージをお届けします。

▲ 最高にかっこいい場所「現場」で働く職人たち(協栄電気工業様より提供)

業界の「当たり前」を疑い、自らベクトルを変える

建設やインフラ、造園といった「現場仕事」の業界には、長らく深刻な人手不足の波が押し寄せています。
かつて石本代表も、同業者と集まるたびに「若者が来ない」「環境が厳しいから仕方ない」といった、
やるせない空気感に包まれていた時期があったと言います。

「以前は、業界全体がどこか諦めムードに支配されていました。
自分たちの仕事の価値を誇るよりも、現状を嘆く言葉の方が多かったのかもしれません。
でも、そんな閉塞感の中にいては、何も変わらないことに気づいたんです」。

業界が変わるのを待つのではなく、自分たちから社会への見せ方を変え、
行動を起こすことを決意しました。
「嘆くのをやめて、ベクトルを自分たちに向けよう。できることは全部やろう」。
その一念から立ち上げたのが、ブルーカラーの価値を再定義し、発信する団体『クール・ブルー』でした。

今ではその想いに共感した全国の企業が手を取り合い、あえて普通高校での講演活動などを通じて
「現場のリアルな格好良さ」を伝えています。「3年後に就職先を考える時、そのテーブルの上に、
ごく自然に『現場仕事』という選択肢が乗っていてほしい」。そんな切実な、しかし明るい希望を胸に、
次世代へのアプローチを続けています。

「生きている!」という実感。現場は、最高にかっこいい場所だ。

昨今、AI(人工知能)の急速な進化によって「将来なくなる仕事」が議論されています。
デスクワークや定型業務が自動化されていく未来において、石本代表は「現場の仕事こそが、
最後まで奪われない最強の武器になる」と確信しています。
その根拠は、現場に欠かせない「非定型な対応力」と「五感による判断」です。

「例えば、造園職人(庭師)さんが一本の木を剪定するシーンを想像してみてください。
彼らは、一本一本異なる枝ぶりや木の勢いを目で見て、その木の5年後、10年後の姿を想像し
ながら、どこに鋏を入れるかを瞬時に判断します。これは、データの蓄積だけでは決して到達できない、
経験と感覚に基づくクリエイティブな作業です」

この「一瞬の判断」の尊さは、電気工事の複雑な配線や、
ミリ単位の精度が求められる家づくりの現場でも全く同じです。 「デジタル上の計算だけでは解決できない不測の事態。
そこに立ち向かい、自分の手と頭を使って形にしていく。 完成した瞬間、誰かの役に立っているという確信とともに、
自分自身が『生きている!』という強烈な手応えを感じる。これこそが、この仕事の醍醐味なんです」

「今、この道を選ばないと損だぞ」

進路に悩む若者や、その将来を案じる親御さんに、あえて強い言葉で呼びかけます。
「これからは技能職の価値が劇的に見直される時代です。
担い手が減っているからこそ、技術を持つ人は『なくてはならない希少な存在』となり、
待遇や社会的地位もさらに向上していくでしょう。アメリカではすでに、
現場仕事で大きな富を築く人々を『ブルーカラー・ミリオネア』と呼ぶ動きさえあります。
だから僕は、今の若者たちに『今、この業界を選ばないと損だぞ』と本気で伝えたいんです(笑)」

社名に「建設」や「工業」とついているだけで、中身を見ずに選択肢から外してしまうのはあまりにももったいない。
「食わず嫌いをせず、まずは地元の会社を見学してみてほしい。
そこには、泥臭いけれど誇り高く、生き生きと働く大人たちが必ずいます」。

資格と技術は、人生を支える「サバイバル力」

インタビューの締めくくりに、石本代表が語ったのは「自立」への力強いメッセージでした。
「一度身につけた技術と資格は、誰にも奪われない一生の財産です。この腕一本あれば、
長野でも、沖縄でも、あるいは海外であっても、どこへ行っても生きていける。
これは、変化の激しい現代を生き抜くための最強の『サバイバル力』になります」

自分の仕事が、誰かの暮らしを支えるインフラ(土台)となり、街の景色の一部になる。
その誇りを胸に、青い作業着を纏って現場に立つ。代表の言葉には、現場を愛し、
そこで生きる人たちを心からリスペクトする「温かさ」と、揺るぎない「確信」が満ちていました。
私たちが毎日を笑顔で過ごせる裏側には、今日もどこかで「生きている実感」を噛み締めながら、
私たちの日常を組み上げている人々がいるのです。

▲ 千曲市役所前の看板「インフラ・ラララ」


あなたの身近にも、街を守る「ヒーロー」がいませんか?

私たちが暮らす家があり、美しい庭があり、安全な道がある。
それらが「当たり前」にあるのは、誰かが毎日、誠実にその仕事に向き合っているからです。

「クール・ブルー」石本代表の想いに触れ、私たち編集室も、
もっと身近なプロフェッショナルたちの声を届けていきたいと強く思いました。
あなたが毎日歩く道も、窓から見える木々も、誰かの「一生モノの技術」で支えられています。

もし、現場で働く人を見かけたら、心の中で少しだけ「ありがとう」を。
そんな優しさが広がる街は、きっともっと素敵になるはずです。



あなたも「クール・ブルー」な仕事、始めませんか?

長野の家づくりや庭づくり、そしてインフラを支える「クール・ブルー」な企業の求人情報を掲載。
未経験からでも、一生モノの誇りを持てる仕事が、あなたを待っています。

石本代表が語る「自分たちが作ったものが地図や景色に残る仕事」。
そんなやりがいに満ちた「クール・ブルー」な企業は、実はわたしたちのすぐ近くにもあります。
未経験から「手に職」をつけたい方、自分の手で地域を守りたい方。
ぜひ下の採用情報をチェックして、新しい一歩を踏み出してみてください。

クール・ブルーはブルーカラーの価値を世の中に正しく伝え、
ブルーカラーの大切さが再認識されるとともに、
ブルーカラーの仕事に就きたいと思う人を増やすことを目的とした団体です。

私たちの電気設備工事業を含め、ブルーカラー業界が
ピンチです。技術・技能者はすぐに育ちません。
この仕事、業界を目指してくれる人を増やし、
育てていくことが大切だと考えます。

このままでは技術・技能者の高齢化が進む中で
次の世代への継承が途切れてしまいます。
このなくてはならないはずの仕事が敬遠されつつある
現状を変える為にこの会を立ち上げました。

クール・ブルー発起人
石本 英成
協栄電気工業株式会社 代表取締役

AI・ロボット時代に、「手に職」という選択。 一生必要とされる職人・技術職

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