秀子さんへの手紙7

2024.11.25

秀子さんへの手紙7

秀子さん、おはよう。早いものだね。今日で入院して1週間。先週の金曜日に入院した。覚えている。 君の良い性格で覚えていないと君は言うと思う。別に覚えてなくていいよ。この手紙も届け始めて今日で7通目。 毎日ほぼ365日大学が終わって届けているから、10時40分頃には君の手元に行っているはず。毎回の面会時、「手紙読んだ?」と聞くと読んでないという。 「そうなの。毎日手紙を届けて今日でもう何通目だよ。」と私が言うと、手紙知らないと返事が返ってくる。 内心寂しい思いはするが、読んでなくとも、読んだことを忘れてしまっても、それでも構わない。

4時に起きて、洗面して庭に出て、太陽さんに秀子の回復を願い、終わって手紙を書き出す。書き出す時間は大体4時20分位から。 手紙のことを秀子は覚えてなくても、今この手紙を書いている時間は秀子と私が一体になっている時間だ。

昼間は仕事があり、いろんなことがあるので、秀子のことを忘れている時もあるが、

君が入院して毎朝この時間だけは確実に君のことを思っている。

「同じ時間に、同じ場所で、同じことをやり続ける。」これが成功の秘訣と学んでいる。

考えてみれば、昨年君が脳出血で倒れて日赤から長野中央病院に転院していた139日間、毎日君に手紙を書き続けた。 今考えてみると、よく139通の手紙を書いたものだ と思う。

多分書けた1番の原動力は秀子への愛以外ない。とにかく生きて帰ってきて欲しい、想い以外の何ものでもなかった。その時は松代に住んでいたから、 朝3時半に起き、会社に向かい、会社の机でパソコンに向かって君への手紙を書いた。 それがなんと139通にもなったのだ。今度はパソコンでなく、手書きで君に手紙を書いている。 手紙を書き終えるとその手紙を読み返すが、どうせ読み返すなら声を出して読み返そうと思い、アプリを使って 音声入力して読み返す。その音声入力したものをワードに変換して活字にし、敬君と暁代にLINEで送る。実は送る人がもう1人いる。

昨年の手紙を送ったのは、子供たちの他に、アスクの社長の山本さんに送った。

山本さんに私の秀子への気持ちを共有してもらい、会長としての私の考え、生き方を山本社長に手紙を通じて継承したかったから。 今回はもう山本さんには送らなくてもいいかと思い送ってない。実は違う人に送っている。

茨城県古河市に住む鹿島節子さんだ。

鹿島節子さんとはスーパーバイザーの同期。私は倫理法人会に入会して、中西浩先生に出会った。 先生のおかげで、私は長野県倫理法人会の2代目の会長を仰せつかり、 経験少ない私が倫理の学びの絶好のチャンスを得た。

そのおかげで、当時、倫理の会員の憧れのポストであった数少ない法人スーパーバイザーという 誰でもが成れないポストを得た。53歳の時で、今から22年前だ。若かった。 このポストのおかげで、全国を回った。47都道府県全部講演に歩いた。法人スーパーバイザーのポストのおかげだ。 この年の法人スーパーバイザーの同期はたったの4名のみ。 みんなすごい人たちだ。

鹿島さんは法人スーパーバイザーになる前は県の会長でなく、古河市倫理法人会の会長だった。その会長時代、2年間、 自分を先頭に役員を引き連れ、毎朝毎朝古河市一体に倫理の良さを伝える資料を朝暗い内からポストインしたのだ。 毎朝毎朝だよ。だから古河市倫理法人会は全国の倫理法人会から、憧れの倫理法人会に称せられ、「古河詣で」という言葉が誕生するほど、 全国の仲間が鹿島さんのとこにそのノウハウを聞きに入っていた。

その中で唯一古河詣でとして成功した人物がいた。それは山口県の垣之内さんという人だ。

当時山口県で幅広く飲食店やオートバックスのFC店を数店 経営していた人だが、古河倫理法人会を訪れ実際にやってみて、戻って山口県の倫理法人会も見習って毎朝チラシのポストインをし、倫理法人会のポストインにとどまらず、今までやっていた飲食チェーン、オートバックスを全部売却し、 チラシポストイン専門店と地域新聞の会社に事業を切り替えてしまった。

中西先生の紹介で私の存在を知り、山口県からわざわざ新聞の作り方など教えて欲しいと私の会社に見学に来た。その後、私も山口県を訪れ、いろいろ交流を深めたが、 残念ながら垣ノ内さんは数年前亡くなってしまい、 事業は息子さんが引き継いで、今や山口県のナンバーワンポステング会社、地域新聞発行会社として活躍している。

全国の倫理法人会にこんな大きな影響を与えた鹿島節子さんは、私より7、8歳上だが、ウマが合い、仲のいい倫理仲間だ。 その鹿島さん、私と君の手紙をまとめた本「、妻へのラブレター」をもう何冊も買っていただいた。 50冊以上、いや100冊ぐらいになるかと思う。「倫理の本当の実践者の見本の小山さんです」と言って、鹿島さんがやる講演の際や、自分が主宰している「節子の部屋」という会などで本をどんどん紹介してくれている。

その鹿島さんの思いもあり、7月に古河市倫理法人会に君を連れて講演に行く約束をした。

しかし、残念ながら君が入院したので、延期というか断りのお願いを申し出た。私1人で行ってもいいのだが、今の私は君を長野に置いて泊まりを兼ねる講演はできない。

こんな深いお付き合いの鹿島さんなので、何かこの手紙がお役に立てればと思い、手書きから活字に変えたものを送っている。

鹿島さんも今腰痛で寝込んでいて大変のようだが、少しでも勇気づけられれば嬉しい。

書いているうちに便箋も10枚。さすが10枚ペンを走らせていると 右手が痛くなる。今日はここまでにするね。ごめんね。もっともっと書きたいことは、頭に浮かんでくるが、また明日にします。

今日も1日君が頑張ってくれると嬉しい。車いすに乗れるといいね。今夜はアメリカのクリスさん交え役員会。数字も今年はいい伸びをしているから安心してね。

では、今日は午後2時40分に面会に行く。手を握ってあげられるのが嬉しい。

秀子今日も一緒だよ。

6月14日金曜日朝5時34分  秀一

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