強盗が増加する中、私たちはどうすればいいのか?専門家に聞いた『わが家の防犯対策』
近年、特殊詐欺やSNS型投資詐欺だけでなく、強盗事件も増え、私たちの暮らしが脅かされています。長野に住む私たちはどうすれば安全を守っていけるのでしょうか?そこで、日頃から地域の安全・安心なまちづくりに尽力されている、公益社団法人長野県防犯協会連合会の専務理事、伊藤聡志さんにお話を伺いました。伊藤専務理事によると、「防犯対策は、電話、訪問者、そして侵入と、大きく3つの段階に分けられますが、それぞれが紐づいて凶悪な犯罪につながっているので注意が必要」とのことです。
●電話対策
このところ急増している侵入強盗事件では、電話や訪問で個人情報を聞き出してリスト化された家が狙われるケースも。まずは「不審な電話には出ない」ことが何より大切です。万が一、知らない電話に出てしまった場合は、個人情報を絶対に伝えず、すぐに切るようにしましょう。
国際電話による特殊詐欺も急増していますので、知らない国際電話には絶対に出ない、かけ直さないようにしましょう。発信・着信を無償で休止できるサービスもあります。ぜひ活用してください。
①留守番電話や迷惑電話
防止機能付き電話の利用
犯人は証拠となる声の録音を嫌い、
すぐに電話を切ります。
②ナンバーディスプレイの利用
特に70歳以上の方のいるご家庭は、
無料で利用できるサービスも。
③AIによる詐欺対策
電話の内容をAIが分析し、詐欺の可能性が
あると判断した場合にご家族や警察に
通知してくれるサービスもあります。
お問い合わせ
国際電話不取扱受付センター
0120-210-364通話料無料)
●取扱時間オペレータ案内 平日9:00〜17:00まで
●自動音声案内 平日、土日祝24時間
●犯行予兆電話(アポイント電話)対策と訪問時の対応
親族などを装って「これから家に行く」などと在宅しているかどうか、金があるかなどを確認するような電話や、アンケートを装って、家族、資産状況など個人情報を聞き出すような電話は特に注意が必要です。強盗のリストになる危険があります。さきほどの「電話対策」の通り電話に出ないことが一番ですが、訪問してくることもあり、その対策としてカメラ付きインターフォン(防犯用テレビドアフォン)が有効です。
①玄関を開けない
知らない人には絶対にドアを開けないことが基本です。
②カメラ付きインターフォンの活用
来訪者の顔を確認し、断ることが大切です。「知らない人なのでお帰りください」と隙を見せず、きっぱり断りましょう。
③ドアチェーンや補助錠の活用
ドアを開けても、すぐに侵入されないよう、これらの対策も有効です。
万が一、ドアを開けてしまっても、個人情報は絶対に話さないでください。
話してしまったらすぐに家族や警察に相談してください。
●侵入を防ぐための対策
侵入を防ぐためには、まずは「侵入されにくい環境を作る」ことが重要です。窃盗犯人が嫌うものは、『①時間②光③音④人目』と言われています。
地域全体で防犯意識を高めよう
住宅対象の窃盗事件の半数以上が「無締り侵入」です。在宅中でも必ず施錠してください。立派な設備があっても活用、施錠しなければ防犯対策になりません。また、必要以上の現金を家に置かないこと。そして、家族で防犯対策について話し合ってください。ひとり暮らしの方はなおさらです。家族が来た時、会った時に話しておくことが大事です。
不審な人が訪問して来た、不審電話があったらすぐに警察に通報してください。緊急の場合は110番、相談電話は#9110へ。
防犯意識が高い地域は犯罪が少なく、やはり「地域の絆」が1番大事だと思います。私たち、(公社)長野県防犯協会連合会は、地域全体で防犯意識を高める講習会の開催や、挨拶・声かけ・見守り・パトロールなど地域社会活動の活性化、犯罪の起きにくい環境づくりなど、地域の絆で安全・安心なまちづくりのための様々な取り組みをしています。ぜひとも地域の皆さんで協力して、安全で安心なまちづくりをしていきましょう。