ここ数日温かいので、正午前後は必ず妻を外に連れ出し、会社の駐車場で椅子付き歩行器を使って歩行訓練をし始めた。先週の土曜日も10時半頃実践していた。ちょっと疲れた様子なので、「リンゴ食べて休憩する？」「食べたい 」ということで、いったん休憩し、私は台所に向かった。りんごの皮むきを終え、 戻った。そこにK友人が涙を流しながら妻のそばに立っていた。

Kさんは5年前、私が「小山秀一オフラインサロン」を立ち上げた時、参加してくれ、365日大学がスタートした時も農園活動等いろいろ私に積極的に協力してくれた。 人手がいなくなった実家の農業を手伝わなくてはいけなくなり、365日大学は 離れ、しばらく音沙汰なかった。そのKさんが妻のそばで涙を流していたのだ。

「 会社の前社員の見舞いに行く途中、前を通ったら奥さんが座っているではないか。 小山さんの自宅でしょっちゅう奥さんにおいしいお茶を出していただいた。こんなふうになってしまって、でも俺わかる？と聞いたら、わかると言ってくれた。 Mさんとよく小山さんの話をする。 普通の旦那なら、奥さんは介護施設に行っているのに、こんなに元気になって、私のことも覚えていてくれる。小山さんでなければできないことだね。」涙を流しながら語ってくれた。「とんでもない。当たり前にごく普通にやっているだけ。みんなのお蔭ですよ」友人と久しぶりの再会に嬉しくなった。

友人が多分お見舞い相手に持参したものだろう。それが妻のそばに置いてあった。離れた友人もいつも妻のことを案じてくれていたのだ。だから、もしかしたら 「小山さんの会社の前を通ると 行き合えられるかもしれない」と、会社の前の道を通ったに違いない。

毎日わずかずつとはいえ、外で訓練している。その積み重ねが、こうした結果を呼んでくれたに違いない。偶然ではない。感謝だ。